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10月 2015

純血サツマビーグルのマレ号の猟野訓練 第2報

マレ号の猟野訓練を開始して、約1ヵ月が経過した。現在9ヶ月の牝で、体高:45cm、体重16kgとなっている。外見は、大きな頭骨、大きく垂れた絞り耳、胴長で四肢も太くガッチリとした大変美しい牝犬である。
9月の山入れ訓練は、雨や台風等で16日間と約半分に終わった。
当初、山に入れると、尻尾を垂らして怯えていたが、それは数日で解決した。思ったより度胸があったので、3日目からは、じっくりと狩り込んで行くテツ号を先導犬にして山入れを行ってみた。この訓練の目的は、山歩きを学習させることと、追跡犬としての体力と持久力を会得させることである。
訓練の様子は次の通りである。先導犬のテツ号とは運動場で隣り同士でもあり、放犬するとテツの後に付いて山の中に消えて行ったが、暫くするとテツ号がシカを起し追跡になり、高速での走りにキャンキャンと後追いしながら付いて行くが、暫くすると鳴きが止まり、GPS受信機を見ると同じ場所でウロウロしているようである。恐らく大きな谷か、崖などで付いていけなくなり、行こうか行くまいか勇気がいる迷いに遭遇しているようである。30分程するとワォ~ンと不安で寂しそうな鳴き声で私を探している。どの様な名犬でも一度は経験する試練である。これは幸いと・・・20番の空ケースでピー・・・ピー・・・と10秒間隔で吹き続ける。この時、決してこちらから迎えに行ってはならない。もし迎えに行くと迷った時は鳴けば主人が迎えに来てくれることを覚え使いづらい犬になるので注意が必要である。
10日ばかりこの様な日々が続くが、迷った時に鳴けば主人がピーピーと笛で居場所を知らせてくれることを学習する。またこの頃になると体力も付き、訓練当初はブヨブヨしていた身体も引き締まりゴツゴツした筋肉質に変化していることが分かるようになる。こうなると先導犬から離される時間も段々と少なくなり、シカの追跡にもある程度付いていけるようになる。
しかし、この頃の追跡は、未だ猟欲が出ていないために、先導犬の後をキヤンキャンと追いかける所謂「後鳴き」である。
マレ号も今上記したような状況で、山で邪魔にならない程度の山入は出来るが猟欲が未だ発現してなく気をもんでいた。その後、先導犬をアキ号、シロー号と変えて色々な捜索や追跡の仕方を学習させた。
猟欲の発現は、先導犬をエリー号に変えたその日に起こった。エリー号は、父親のハク号譲りの高速追跡の持ちある主でるので、マレ号は全く付いていけないと考えていたが、これも勉強と思い山入した。1時間余り捜索したがシカの臭いが無いので別の山に変えた。するとなんと牡がピイーユー・・・ピイーユーと鳴いているではないか。シカは10月~12月にかけて発情期となり牡が牝を呼ぶ鳴きが良く聞かれるようになる。早速車を止めて、林道をゆっくりと登って行くと、エリー号が立ち止まり高鼻で下から吹き上げて来るシカの漂臭を確認している。居場所を確認できたのか一点を睨んで動かない・・・。するといきなり林道を高速で降り杉山に姿を消したと同時にギャンギャンと特有の追い鳴きになった。マレ号も少し遅れて付いて行く。GPSを見るとなんとマレ号もエリーの高速についているではないか・・・今日はこれが初めての追跡なので体力も十分なのだろう・・・なんて想像しながらGPS受信機を見ていると、10分もしない内に止め鳴きになった。おかしな~・・・あそこの場所は茶畑で池や谷などは無くおかしい・・・暫くするとエリー号は鳴き止み、太い大きな声でウォンウォンと激しく鳴きだした。誰か別に訓練に来ているのか?・・・と思いつつ、現場に行ってみると、なんと大きな牡ジカが茶畑のシカ侵入防止ネットに角を巻き付け暴れているではないか・・・凄い!流石は高速追跡のエリー号ならではの猟芸である。恐らくシカと20mも離れずシカも冷静さを欠いて一目散に逃げ網が目に入らなかったのであろう・・・。自分の縄張りで網の存在は知っているはずなのだが、余りにもエリー号の追跡が鋭かったのか・・・『シカでなく良かったと思う(笑)』。さて、先ほどの太く大きな声は・・・なんと!!!・・・マレ号でした。良い訓練になると思いエリー号を繋ぎ、暫くほっておくことにするが、30分程経っても鳴き止まず、時たま大シカに近づき、吠えこんでいる・・・初めて見るシカに果敢にアタックできる犬はサツマ以外の犬種でも数少ないと思う。マレ号の両親は大物猟の名犬と聞いており期待がもてそうだ!。
大シカは当地の猟友会長に連絡し進呈した。その間、約1時間ほどマレ号は大声で鳴き続けていた。会長さんに褒められたのは言うまでもない・・・。
追伸
会長さんは足が悪く、この大シカの搬出を一人で行ったおかげで、現在腰痛が酷くなり病院と整体に通う毎日です・・・若いと思っていたがやはり年です。9月で65歳になり高齢者の仲間入り・・・町役場から高齢者手帳を送ってきたが気持ち的に受け入れ出来ませんでしたが、今回の件で身に沁みて高齢者を受け入れしなくてはならなくなりました(笑)



写真①

猟場に着いたエリー号とマレ号

この様な林道をゆっくりと登って行くとシカの起し・追跡となる。









写真②

エリー号(上)が林道から吹き上げて来るシカの漂臭をキャッチしたところ。

マレ号(下)は最近山鳥に興味が有りクンクン鼻を使うことが多くなってきたが、シカ臭には関心が無いようである。







写真③

シカが左の石段を駆け下り、どうしょうか迷っているマレ号。

※ これが下りれば山入「合格」。







写真④
 エリー号の高速追跡で茶畑に設置されたシカ侵入防止ネットに角を引っ掛け身動きが取れなくなった大シカ。
 ※ 体長130mm、体重70kg(当地では最大級)




























写真⑤
 上記の大シカに太い大きな声で鳴き込んでいるマレ号

※ シカを回収するまで約1時間余りの間大声で鳴き続けた。猟欲発現か!!!
※ 尻尾をピンと立てて堂々と鳴いていることに注目して頂きたい。