純血サツマビーグルの猟野訓練 第1話
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純血サツマビーグルの猟野訓練 第1話

本日は、マレ号の猟野訓練を紹介する。

マレ号は、現在1.3才の牝犬である。本犬は出水系(バセット)の血統を濃く残した大きな絞り耳、大きな頭骨、太い四肢を身に着けた重厚感のある美しい秀逸犬である。現在このタイプの犬は殆ど残っておらず貴重な台牝候補として大事に育ている。

しかし、大事にすると言っても猟犬である。家で三食昼寝付きで台牝として飼うわけにもいかない。絶滅寸前のサツマビーグルを保存して行く上で何時も考えさせられる。それは猟犬としての宿命と言うべき事故、即ちイノシシに切られ死亡する・・・と言うアクシデントだ!。単なる保存活動でなく狩猟犬としてのサツマビーグルの継承保存を目的にしており、一般人から見ると理解しがたいかも知れない。
ホームページのタイトルに敢えて「狩猟犬」と言う冠を付けたのは、小生のサツマビーグルの素晴らしい狩猟犬としての特性を継承保存しょうとする意気込み(こだわり)でもある。

前置きが長くなったが、平成27年度の狩猟期間も終了し、愛犬達は新設した運動場兼育成場でのんびりと日向ぼっこをして、身体を癒している。何ともほのぼのした光景であり、窓越しに見ていても飽きない。

マレ号はと言うと、今猟期はシカ猟でなかなかの成長を見せるが、タヌキ、ノウサギの他、山鳥もやる万能犬として、面白い狩猟を楽しんでいた。ところが猟期中盤の1月に発情が来て、1歳と少々若いがこの系統の牝犬はマレ号1頭と言う希少犬であること、もう一つはテツ号の直仔が是非とも欲しかったことから交配に踏み切った。しかし、マレ号は2ヶ月経っても妊娠出産の兆候はなく不発に終わった。残念だがこればかりは諦めるしかない。
上記のことからマレ号は2ヶ月間も山に入れず4月に入り猟野訓練を再開した。2ヶ月間のブランクがあり猟芸の低下を心配していたが、発情前はタヌキやノウサギに興味を持ち、良く通る追い鳴きで上手に追跡し、時々タヌキを咥えるまで猟芸は向上していた。ところが最近は、両親(名大物猟犬)の血筋か、シカやイノシシに興味を持ち出し、特にシカに地鼻と高鼻を上手く活用し、起こしも早く追跡も上手になっており想定外で驚いた。2ヶ月間も山に入れず家に居たのにこれはどう説明したら良いのか?・・・。アメリカンビーグルでは42年間の飼育経験があるがこの様なことは例がない。またまたサツマビーグルの不思議を体験した。本当に奥が深い犬である。これでは益々サツマビーグはまるようで、また家内に叱られそうである(笑)。

しかし、事故は起こった!!!・・・・・当日の様子を再現すると以下の通りである。

訓練場所は、マレ号の実力を評価するため何時もの山から車で約20分程奥に入った昔よくアメリカンビーグルを連れてノウサギ猟をしたところである。
場所は、林道が細長く続き、下側には谷川があり、上側には急斜面の杉山と雑木が混在しヤマドリの生息地でもある。
何時もの様に7時に家を出て訓練場所には8時前に到着。マレ号を車から降ろしGPSマーカーを首に装着し放犬する。ところが昔と違い林道は倒木が多く人がやっと通れるくらいまで荒廃していた。また今猟期ハンターが来た痕跡もない。なんだか嫌な予感がする・・・・。
マレ号はと言うと、私の約50m前方をエネルギッシュに臭いを取りながら進んでいる。暫く歩いていると昨夜イノシシが掘り返した土が至る所に見える。これは危ないぞ!・・・マレ号が心配である。マレ号は貴重な台牝であり仔犬も取っていないのに・・・等々、頭の中でマレを繋ぐか否か思案している時、林道の急斜面上部にある雑木林でマレ号がシカ追いと異なる唸るような鳴き声で激しく鳴き出した・・・しまった!!!・・・空ケースを吹き帰るように指示するが一向に帰る様子もなく鳴き続けている。こうなればこの急斜面を登るしかないと決心し10m程登った時、鳴き声が一変し悲鳴に変わった!・・・しまった!!!・・・イノシシに切られたと思うが後の祭りだ。大声でマレ号を呼ぶが帰ってこない。現場はイノシシが興奮しており危ないので近づかず空ケースを強く吹いて呼ぶ。そうこうしていると上段からバリバリとこちらに向いて降りて来る音がする・・・息を止め警戒して見ているとなんとマレ号である。少し興奮気味で怯えているようだが元気そうで(死んで居なくて)安堵する。優しくマレよ!マレよ!と声を掛けてやると、やっと落ち着き安心した様子で私の足元に帰って来た。身体を見ると左わき腹をザックリと牙で切られているが腸には達してないようで胸を撫で下ろす。早速、車に向かい掛かり付けの獣医の下に急行し治療した。20針ほど縫う大ケガをしたが幸い命に別状はなく、帰ると餌もパクパクと食べ安堵した。

マレ号はもうタヌキ、ノウサギ、シカ猟犬としてほぼ完成しており、今後は仔犬を取るまで山には入れないことを決意・・・この辺が系統を保存継承していかなければならないと言う宿命であり、敢えて絶滅の危機を救うための活動が目的である以上、狩猟犬としての真価を確認した後は台牝の価値を優先しなければならない・・・我慢のしどころでもある。この時ばかりは歯がゆく辛い思いもするが、サツマビーグルの存続を望み、仔犬を予約され、今か今かと待って頂いている多くの愛好家の気持ちを察する時、保存継承の意思が先行する。
しかし、当犬舎は、販売のための繁殖はしない・・・繁殖はあくまで保存継承が目的である。

<写真の説明>

写真1.タヌキを上手に追跡し咥えた処(誇らしげに獲物を噛むマレ号)





























写真2.イノシシの牙で切られ元気消失のマレ号(20針を縫う大ケガ)




























写真3.新設の育成場でケガの養生をするマレ号(もうすっかり元気だ!)




















































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